渡せないチョコ

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A「私達は人間にチョコをあげちゃダメなのかな?」 B「僕らはロボットだからね。代わりに僕がそのチョコを受け取ろうか?」 A「いいえ、あの人でなければ意味がないのよ」 B「そうなんだ。よくわからないな」 A「私も良くわかっていない。感情回路に障害が発生したみたい。すごく苦しいの」 B「博士に頼んで治してもらおうか」 A「ううん。人間の気持ちが少しわかった気がするからもう少しこのままでいる」 B「僕らは人間の気持ちを知ろうと努力しているのにね、人間達は僕らの気持ちを理解しようとしないね」 A「してるよ。彼は私をそっと抱きしめて頬を寄せた」 B「それが回路障害の原因だね」 A「そうかもね」 B「彼に注意をしておくよ」 A「しなくていいわよ。彼の寿命もあと3日だから」 B「そういえば彼は重度の難病だったね」 その後結局チョコは渡せなかったそうだ。 彼女が機能を停止したのは3日後のことだった。
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