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満月は過ぎたがまだ十分明るい月明かりに岸壁がうっすらと照らされている。
見下ろす一面の立ち入り禁止区域の一部には雑草が茂っているが、
やはりというか、
当然というべきか、
土砂剥き出しの部分が多く残り、
全体的に荒涼感が漂っている。
その先に拡がる海面は現時点では凪いでいるが、
深い青が闇に濃く沈み、
空に雲が低く垂れ込めているせいで、
その先はまるで見通せない。
防波堤は以前アレが去って行ったときに破壊されたままの無残な姿だ。
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