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田中慎弥「神様のいない日本シリーズ」文藝春秋(2008/11)
これは傑作!
吃驚した。
前半三分の二は相変わらず話が何処に繋がるのか不明でグズグズと進むが、後半で見事なくらいに重層的に伏線が合致して天晴れ。
ただひとつ、あの男がバットで殺したのが飼い豚である意味だけがわからなかったが、その後、丹羽文雄の短篇に料理人(だったか?)が殴打殺に梃子摺る豚をある男があっけらかんとを一発で殴り殺すシーンがあって何となく納得。
表題の日本シリーズは1986年の西武対広島戦。
内容(「BOOK」データベースより)
野球賭博絡みのトラブルがもとで失踪した父親から少年のもとに葉書が届く。
「野球をやっているか」
父親の願いを適えるべきか、野球を嫌悪する母親に従うべきか。
少年の心は揺れる。
そんななか、少年は憧れの同級生とある劇を上演することになった。
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