第5章~月山富田城合戦~

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声を震わせ言う利勝、その左右にいる立花宗茂と片桐且元からも、悔しさが体中から滲み出ていて、誰の目にも悔しげに見えた。 そんな中、光秀は更に問う。 「お主たちが知る鳳凰神の化身は何人いたか?」 この問いかけに、利勝が再び口を開き。 「直接に見たのは槍を使う若い男の鳳凰神の化身だけですが…それが何か?」 と、利勝が怪訝な表情を浮かべ、逆に問いかけると、光秀が真剣な眼差しを向けて。 「鳳凰神の化身は3人はおる。槍を使う者の他には弓を使う者と奇妙な術を使う坊主だそうだ」 そう光秀は答え更に。 「特に奇妙な術を使う坊主がかなり厄介な存在となろう。実際に儂は見たわけではないが奇妙な術を使う坊主が呪文を唱えると周囲の敵が全て身動きができなくなる上に自身の体が勝手な動きを始めるらしい。自身の体なのに自身の体では無い様になってしまうそうだ」 と、光秀は続け更に。 「敵は強敵ぞ。我が明智軍団とて敵わぬかもしれんぞ。それでも我が明智軍団に加わり儂の天下取りのためにお主らの命を捧げられる覚悟はあるか?」 と、光秀は3将に問いかけ、これに3将を代表して利勝が。 「光秀様を御館様と仰ぎ。御館様の天下取りのため我らの命を捧げ粉骨砕身働く所存です」 と、誓いを立てると、これを聞き光秀が。 「うむ。お主たちの覚悟を見た。我が明智軍団に加わる事を許す」 そう言うと、3将は「有り難き幸せ」と言って平伏していた。 そんな中、再び左近が姿を現し。 「御館様よろしいでしょうか?」 と、光秀に伺いを立て、そんな左近に光秀は。 「如何した?」 と、質し、これに左近が。 「面白き者が2名。御館様に目通りを願い出てやって参りました」 と、光秀に告げた。 そんな左近に対して光秀が。 「面白き者が2名とな。その面白き者2名とは儂が興味を持つものか?そうでなければ会わぬぞ」 と、左近へ質すと、左近は、そんな光秀に対して。 「御館様は必ずや興味を持つ者たちです先ずは会って見て下され」 そう左近は言い光秀を急かせた。 急かせる左近に光秀は。 「わかった参ろう」 そう言い、利勝らの事は左近に任せて、面白き者たち2名が待つ部屋へと急ぎ向かったのである。
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