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光秀は、左近の言う面白き者2名が待つ部屋の前に着き、部屋をそっと覗き込むと、部屋では異才を体中から放つ者2名が、座して光秀が現れるのを待っていて、その2名を見た光秀が。
(なかなか出来る者と見たが…果たして何者か…?)
そう思っていると、部屋で待つ2名の内の、左側に座している者が。
「そんな所でコソコソと我らの見分をしていないで入ってこられては如何か」
そう言い、これに光秀は「ハッ!」として。
「これは気付かれておられた様で失礼な事をした」
と、頭をかきながら、光秀は部屋へと入っていき、そして左近の言う面白き者たちですと、対面したのである。
光秀に目通りを願い出て来た、左近の言う面白き者2名と対面した光秀は、部屋の上座に腰を下ろすと。
「明智光秀である。儂に目通りを求める者たちとはお主たちか?」
そう質すと、光秀の面前に座す2名の内の左側の者が、口を開き。
「左様で御座る。拙者は塚原卜伝と申す者で御座る」
と、自らの名を名乗り、その隣の者が続けて口を開き。
「拙者は上泉伊勢守と申す者である」
と、自らの名を名乗り、2名の名を聞いた光秀は驚き。
「塚原卜伝殿と上泉伊勢守殿ですとッ!両名ともに天下にその名を轟かせる剣豪ッ!戦国の世の中で5指に入る強者ではないかッ!」
そう光秀は思わず声を上ずらせ、そんな光秀であるが、すぐに冷静になり。
「しかし両名とも既に余生をまっとうして黄泉の国に旅立たれ既にこの世には存在していない筈では…?」
と、光秀は言い目の前にいる両名をマジマジと、見詰め始めた。
そんな光秀に対して卜伝が説明を始める。
「我らは妖魔鬼神により尼子滅亡のため黄泉の国より甦り戦国の世に戻って参った。当初は我らの他にもう1名。愛洲移香斎殿も我らと共に島津義弘公の元にあったが先日の月山富田城合戦にて移香斎殿は尼子の守護神である鳳凰神の化身の槍を使う者により討ち取られてしまった。そして島津軍は敗北し島津義弘は最後まで尼子軍に抵抗したが結局。切腹して果てた。島津軍は散り散りになり島津軍の残党は今は備中高松城と残りはこの四国にあり。我らも光秀殿いや光秀様に我らの力をかそうと四国まで参った次第で御座る」
そう卜伝は言った。
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