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卜伝の説明を聞き、卜伝の説明の中に出て来た妖魔鬼神の名に、光秀は眉間をピクリとさせ表情を曇らせ。
「貴殿らは妖魔鬼神の回し者か?」
と、光秀は、それまでの歓迎気味な態度とは、違って卜伝と伊勢守を警戒する態度となり、両名に質した。
態度を一変させた光秀を見て、卜伝は伊勢守の方へ視線を移し目で。
(拙者のよみ通りじゃ)
と、伊勢守に訴え、これに伊勢守は目で。
(その様じゃな)
と、伊勢守が応じ、そして再び卜伝は光秀に視線を移してから、ニヤリと笑みを浮かべ。
「やはり光秀様は妖魔鬼神に不快な思いを持っておられるようですな」
と、卜伝は言い更に。
「その点で拙者らと光秀様には共通の思いがあると拙者は踏み四国へと参ったのです」
と、卜伝は続けた。
この卜伝の言葉を聞き光秀は。
「妖魔鬼神に不快な思いをのう…つまり望まずに妖魔の者とされた事…妖魔鬼神が狡猾な態度に不快感を抱いていると思ってよいと申すか?」
と、卜伝に確信をつく様に質した。
すると…。
「そう思われてよろしいです」
と、卜伝は答えたのである。
卜伝の返答を聞いた光秀は、伊勢守の方へ視線を移し。
「貴殿も同様か?」
そう質すと、伊勢守は頷き。
「拙者も卜伝殿と同様に御座る」
と、即答したので、これを聞き光秀は。
「儂と貴殿らは馬が合いそうじゃな。承認いたした。貴殿らを我が明智軍団の重臣の列に加わるといたそう。貴殿らの様な剣豪がいてくれると儂としても助かる」
そう言って、卜伝と伊勢守を明智軍団の重臣として、迎え入れたのである。
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