第5章~月山富田城合戦~

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~敗残~ 備中高松城内は騒然としていた。 月山富田城合戦で島津義弘率いる島津軍が、尼子軍に敗れたとの報せが届いていたからである。 備中高松城の大将の新納忠元と副将の吉弘統幸は、率いる9000の将兵たちの混乱を抑えるのに追われていた。 そんな中、島津家久と大谷吉継が、備中高松城へ落ち延びて来たのである。 忠元と統幸は、すぐに出迎えたのである。 忠元と統幸が出迎え、家久と吉継を見ると2人とも、憔悴しきった表情であった。 忠元と統幸は、取り敢えず家久と吉継を城内へと招き入れ、忠元は配下の者に家久と吉継に食事を出す様に命じ、そして家久と吉継には奥で休んでもらう事にした。 暫くして、吉岡統増、甲斐親英、佐伯惟定らが2000程の将兵と共に、備中高松城に落ち延びて来て、そして伊集院忠棟が、数名の配下に守られ、落ち延びて来たのである。 忠棟が落ち延びて来たので、忠元と統幸は、忠棟から当主の義弘の死を告げられ、悔しさから涙を流し、そして義弘からの遺言を聞き、そして忠元と統幸は、忠棟を家久のもとへ案内した。
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