第1章

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家路に続く公園の階段に向けて歩く私の目に、公園でたまに見かける女の子が階段に座っているのが映る。 女の子は私の顔を見て顔を赤らめながら、綺麗に包装された箱を差し出し話しかけて来た。 「あ、あの、これ受け取ってください! 手作りのチョコレートです」 「え! 私に?」 「はい」 「ごめん! こんな格好しているから間違えたのだと思うけど、私は女なの」 「知っています。 ぼ、僕、男です。 僕と同じ趣味を持つ女の人だと、前から憧れていました」 「ええ!?」 これが私の趣味を理解してくれる、異性との初めての出会いだった。
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