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「つまらない……」 呟きたくなるほどつまらなく、大人しくしているのは退屈なものだ。 学生の本分は学業と言われるが、学校と自宅の往復だけだと、わざわざの通学の意味あるのか……、 今更、部活ってのもなぁ、だし……、 「あなたに、これをおすすめします」 突然、何かの入った無色の紙袋が目の前に置かれた。 あまり聞き覚えのない声の元はと思い、机から視線を上げ、差し出した主の顔を確認したけど、 「えっと……」 正直、名前が浮かばない……、 「クラスメイトの名前も覚えていないのですか?」 「ごめんね、人の名前覚えるの苦手で……」 完全な不意打ちだったのもあるが、これは、まぁ事実、広くそつなく顔と名前を覚える器用さは持ってない。 「わしのことはみこでいいですから、それの感想ぜひ聞かせて下さいね」 「みこさん……」 顔は日頃見ている気はする、制服とタイの色から最低限、同学年だろうけど、名前と結びつかない。 「それでは、今日はこれで、あ、先に言っておきますが、それは帰宅されてから開封されるたほうが安全ですよ」 「え?」 まさかの危険物? 「それでは失礼します」 みこ、と名乗ったそのこは丁寧な言葉と少し違う感じのスタスタと立ち去った。
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