第1章

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始めてきた場所。 木漏れ日が気持ちよかった。こんな所もあるんだ、もっと早く来てみていれば良かったな。 しばらく歩くと、少しひらけた場所があって日が差し花が咲いていた。そこだけはちがう空気みたいで、不思議で、一歩踏み入れると。 「あら、そうなの。それはいいことだわ。」 ・・・ゲコ 私と同じくらいの女の子が背を向けて話しているようだった。1人で。 今の私は誰にも見えない。こんな時こそそれを有効活用すべき!とおそるおそるその子に近づき顔をうかがおうとす 「まぁ、こんにちは。・・・ここに二人も来るなんて何年ぶりかしら。」 「私が、見える、の?」 「もちろん。あなたは、どうしてここへ?」 「・・・なんとなく。」 「そう。まぁ、とりあえずちょっと待って。もうすぐ彼が来るから。」 頭の整理が追いつかない。私が見えるの?あなたは誰?なんで?なんでここに?え? ・・・ゲコ 「あら、ごめんなさい。大丈夫、ちゃんと飛べるわ。」 「カエル・・・?」 その子の手には、1匹のアオガエルが。こっちを向いて一声、・・・ゲコと鳴いた。
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