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『解剖学的に見て異常がある部分は、外性器の先端の位置と……成長につれ女性的特徴が現れる可能性の高いのはね……さらに内生殖器で見られる異常は……』
そうだ。
冷たい声なのに、竜平の言葉が嫌じゃなかったのは、
――リュウヘイさんは、異常だって言わなかった。
「ホルモン治療が必要なレベルなのか?」
尚の抱えた秘密に、少なからずショックを受けた龍也とは対照的に、竜平は冷静な口調を崩さずに質問を続けた。
「いえ。生きていくには放置しても平気だそうです。
もっと年をとってホルモンバランスが崩れたりして、体調不良が出れば、治療すればいいって。
ただ、このままだと男らしい体になれないから、本当は第二次性徴の終わる頃からホルモン投与だとか、外性器の形成手術を少しずつ始めた方がいいって」
「……じゃあ、ナオは何を悩んでいる?」
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