四 尚の秘密

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 尚は、竜平が何を言わんとしているのかを察した。 「親に内緒で、塾を週一に減らせ。  なら、簡単に金は作れる」 「でも」  親を騙す案に、尚は躊躇した。 「成績が上がればいいのだろう?」  竜平がテーブルに肘をつき、両手を組んだ。 「僕が教えてやろう。基礎から応用、勉強のやり方まで。  塾なんかよりすぐに成績が上がる。  次の中間テストで、結果を出してやる」  尚の表情が明るくなった。  成績優秀の生徒会長。確か、彼は常時トップクラスにいる。  彼がマンツーマンで教えてくれると言うのなら、塾での息の詰まる授業より、よっぽど良さそうだ。 「おお! ナイスアイデア!」  パン、と龍也が手を叩いた。 「タツ、お前も一緒に勉強するか?」 「…………いや、いい」  龍也はおとなしく立ち上がって、ソファー後ろのオフィス机の引き出しを開けた。
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