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「ナオ、いつから病院に通っている?」
竜平はもう少し詳しく尚の疾患について聞いておきたかった。
「一番始めは五年生の時。
小さい時って、こんなものだと思っていたんですよね。
五年生の時、たまたまトイレで隣に立った奴に、からかわれたんですよ。『お前のちんちん、赤ん坊並みじゃん』って。
それから、体育の時の着替えのたびに『女みたい』だの『痩せっぽち』だのからかわれ出して」
「いいよ。んなこと話さなくってもよ」
龍也がソファー越しに言った。
「いえ、聞いてほしいんです。
母さんにも言えなかったこと」
竜平は黙って聞いていた。
秘密を共有してもらえるのなら、胸の内を打ち明けたいと思うのは当然だ。
「ずっと仲良かった奴らは、そろそろ第二次性徴を迎えて、中には声変りし始める子もいた。
なのに僕だけ、背は伸びても女の子みたいで、ううん、女っぽい子は他にもいたけど、明らかに僕だけ外性器の形が違ったんだ」
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