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「父が、違う学校でやり直せって。
誰もお前のことを知らない学校に行けばどうだって言ってくれて。
それで、学校だけは行こうって頑張ったんです」
――それでも、友達を作る勇気はなかったってことか。
孤高の美少年は、いつも独りでいた。
「それに新栄学園には、プールが無いでしょ。
水泳の授業がない学校が良かったんだ。
……僕、本当に男か女か、どっちになるのか決めかねてるから。
ううん。今はどっちにもなりたくないんです。このままずっと、このままでいたいんだ。
変でしょう?」
「いや、変じゃない。
今は病院には?」
「半年に一回くらい。最近は女の子の体になりつつあるから、ホルモンバランスの検査も兼ねて。
でも、必要なければ治療はしないって決めたんです」
形成手術からルモン治療まで、その治療方法も患者のケースによって様々。
実際、子供を授かれるよう治療する場合もあれば、まるで治療せず自分を受け入れる人も多い。性転換する人もいれば、ホルモン治療を受けなければ健康を害するという患者もいる。
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