第弐詩(前編)~捜索せよ七変化、それは巻物~

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桜「ほら、これを見ろ。雑だが、この店内の地図だ。いいか、入ってきた入り口はここ。正方形の幸い、狭い店内だ。真ん中に十字の通路は確認できた。オレ達がいるのは、ここ。右下の角。巻物が置かれているのは店内の一番奥。十字の突き当り、ここだ!」 ピラ「あの短い時間でよく見てるね?」 桜「いいから聞け。辺りを囲む壁に本棚。十字の通路を挟むように4つの本棚がある。あのモンス。。。店長が奥へ行ったのを見ると、左上の角辺りにレジがあると見て間違いないだろう。これは死角になる」 ピラ「今、モンスターって言いかけたよね?」 桜「い、言ってない。いいか、つまり俺達のいるこの右下からまっすぐ上に進んで、回りこむ形で巻物の所にたどり着ければいい。移動して無ければだが、店の入口から見える十字の通路にスーツ姿の女が一人。ここの辺りだ。それと、ほら、俺達の向かい。左下の角に老人が1人。左上や十字の通路の間までは確認できなかったが、他にも客がいるかもしれん。油断するなよ」 ピラ「了解!んじゃ、行こう!」 桜「走るなよ?慎重にいくぞ。これはステルスミッションだ」 桜「よし、通路にいるのはやはり女だけのようだ。小説を読むのに集中しているな。いけるぞ」 ピラ「おっけ。。。いいよ!キルシュ!右上の角にも誰も居ない」 桜「よし、いいぞ!ここから、あとは、巻物の所へ」 ピラ「あーー!」 桜「バカッ!大きな声を出ーーーんなっ!?」 ピラ「緊急事態発生!!隊長!アレを!」 桜「誰が隊長だ!くっ!やはり見落としていたか!」 ピラ「丸メガネをかけた痩せ方の、大学生Aを確認!こいつぁ、人と交流するのが苦手で、クラスの隅のほうで本を読んでる天才タイプと見た!」 桜「どういう分析だ!」 ピラ「あ!まずい!!巻物を手に取ってる!」 桜「落ち着け!声に出して読まれない限りポエムが、発動する事はない。なんとかヤツから巻物を引き離さないと」 ピラ「どうする!?」 桜「よし、ピラクル、話しかけてこい」 ピラ「む、無理だよ!!ムリムリ!絶対無理!!」 桜「何言ってんだ!お調子者のお前ならやれる」 ピラ「俺は、こう見えて人見知りなの!!」 桜「嘘つけ!そんなオープンな人見知り見たことないぞ!」 ピラ「ここにいんじゃん!」 桜「嘘つけ!!あっ!まずい!早くいけ!ピラクル!」
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