第壱詩(前編)~喪失した黒歴史それは、ポエム~

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これは、ここではない遠い星のお話。 今、あなたが生きる世界と、似てことなる世界。 俗にパラレルワールドと呼ばれるこの世界では、時間を行き来できる文明が発達していた。 これは、そんな世界に生きる二人の男の冒険劇である。 ピラ『~♪~♪』 桜『こんな時に、鼻歌を歌えるなんていい気なもんだな』 ピラ『こんな時だからでしょ?リラックスする事が大事なんだよ。こーゆー時は』 桜『そのリラックス出来ない状況にしてくれたのは誰だったっけ?』 ピラ『うっ。。。えっと、まぁそれは。。。ほら、あ!やべっ!』 桜『うわっ!おいっっ!!!』 大きく揺れた車体は、素早いピラクルのハンドル操作によって、すぐに体勢を立て直した。 ダッシュボードの上に、置かれていたシャケのフィギアが助手席のドアに当たってコツンと音を立てる。 ピラ『ふぅ!危機一髪!セーフ!』 桜『前見て運転しろ!。。。っても相変わらずのハンドル捌きだな!さすが』 ピラ『んー?そう?照れるなぁ』 桜『調子に乗らない。でもま、『コイツ』がキライな俺が大人しく乗れるようになったのも、ピラクルの運転になれたからってのは正直、あるしな』 ピラ『コイツ、じゃなくて、タイムラインね。正式名称は時空間転送。。。なんとか。 まぁ一般の道と変わらないよ。 そう言えばキルシュ、最初に乗った時は降ろしてくれー!降ろしてくれー!って叫んでたもんねw』 桜『い、言うなよ。元はといえばお前が。。。』 ピラ『面白かったなー!あの顔!車内カメラに保存しておけばよかった?。思い出しても笑えるw』 桜『言ってろ~。さて、。。。ん?またか』 ピラ『また?トイレ?』 桜『違う。ほら、今朝のニュース』 ピラ『まだ、そんな時代遅れの紙を読んでるのかよ。今はヴィジョンニュースだよ?』 桜『俺は、これがいいの。技術に頼り過ぎると自分の感覚が鈍る。それよりここ、クリミナルがまた、タイムラインのルートを改変したらしい』 ピラ『え?また?』 桜『法律で決められた道しか走れないというルールを守ってこそのタイムラインだろうに、奴ら手当り次第にタイムラインの穴を見つけて、正規のルート外で悪巧みしているらしい』 ピラ『ふーん』 桜『俺達の文明は、凄いものってのが分かってないのかね。もし、正規のルート外で何かあったとしたら、世界が。。いや、未来が変わっちまうよ』 ピラ『キルシュは前から心配症だなぁ』
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