第壱詩(前編)~喪失した黒歴史それは、ポエム~

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桜『心配症じゃなくて、これが普通の反応、だろ。俺達の文明は、それほどまでに凄いものなんだぞ。学校でも習っただろ?』 ピラ『ま、そうだけどさぁ』 桜『それに、俺よりも心配してるのはピラクルの方、だろ?』 ピラ『うっ!?』 桜『恥ずかしいよなぁ~。自分のポエムを他の人に見られるなんてなぁ?』 ピラ『ま、まだ読まれてないぞ!』 桜『まだ、だろ?もし読まれたら、それこそ取り返しのつかない事になるかもしれない』 ピラ『俺の黒歴史に、そんな力はないよ』 桜『いや、効果が発動するのは、読んだソイツ個人だ。だが、そのソイツが、あー。。。黒歴史を読んで手に入れた力を使い、何をしでかすかまでは、分からないだろ?』 ピラ『んー。。。確かに』 桜『それに、お前の黒歴史に込められた力は、俺達の文明の最先端の技術と言っても過言じゃない。科学で魔法を証明する、お前の黒歴史。。つまりポエムは、そーゆー力なんだよ』 ピラ『俺の黒歴史は、ポエムなんて凄いものじゃないよ』 桜『いや、アレはポエムだよ。まさか運転以外にもピラクルにそんな才能があったなんてなぁ?』 ピラ『ないない!認めない!』 桜『なんなら、今までで回収したポエムを読んでやろうか?』 ピラ『ちょっ!おまっ!やめろよ!』 桜『えーっと?今手元にあるのは三枚だな!どれから読もうかな~。ま、お前のポエムを俺が読んでも相殺させる言葉を知ってる俺にはかからないから?』 ピラ『やめろよ!やめろよ!読むな読むな!』 桜『えっとー!よし、これにするか!観念しろって、元はといえばお前が、仕事の途中で、タイムラインにポエムを落としたのが原因なんだからな!』 ピラ『自己満足で楽しんでただけだよー!』 桜『なら、なおさらだ。持ってるだけや、声に出して全て読まなければ効果が発動しないポエム。。。人体に影響を及ぼせる程の魔力を込められる物は一部を除いて、一般にはそれ程普及していないというのに。それ程のモノを創り出しておきながら黒歴史なんて言って才能を認めようとしない自分を恨め!さーて!読むぞー!』 ピラ『たはっー!』 大きく二人の乗った車体が左右に揺れる すると、再びコツンと助手席のドアに当たったシャケのフィギアの音をかき消すようにピラクルが声を上げた。 ピラ『しまった!』 桜『なんだ?どうした?』 ピラ『。。。ごめん。降りるルート通り過ぎた』 桜『なんだとーー!?』
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