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月曜日 午前十一時
川田さんが彩に、
「先輩、本当に結婚したんですか?」と興味シンシンの眼だ。
彩は、左手の薬指の指輪を皆に見せ、俺の腕に抱き付き、
「昨夜、私達、夫婦に成りました。」と答える。
皆がまた俺達を冷かす中、川田さんは、
「もう一つ質問、どうして、ユウ先輩は、アヤ先輩の事を先輩って呼ぶんですか?」と質問。
俺は、
「その質問には答えません。」 と答えたが、
彩は、
「病気の為、一年近く休学したんです。 だから高校では彼と同学年に成りましたが、私は彼より一つ上なんです。彼が私の事を人前で“先輩”と呼ぶのは、中学の時のなごりだと思いますが、理由はよくわかりません。」と答える。
そして、彩が真面目な顔でうなずくので、俺はうなずき返した。
彩は、少しトーンの落ちた声で、申し訳け無さそうに、
「実は、最後に、もう一つお話があります。皆さん、気を落着けて聞いて下さい。」と言ったが、
俺は彼女の肩に手を置いて、
「彩には辛いかも、、、俺が、説明するよ。皆、ちゃんと聞いてくれ!実は、今晩遅く、もしくは明朝早くに、全世界に向けて重大発表があるとの事だ。細かい事は何も知らされてないが“終わり”らしい。だから、皆にはもう一度、“最後に自分はどうしたいか”をよく考えて、悔いのない時間を過ごし欲しいんだ。
俺と彩はこの後、二人だけの時間を過ごすつもりなんだ。
それと、もし本当に”終わり”が来るのなら、大パ二ックが起こる可能性も有ると思う。それに巻き込まれないよう、その発表がある前に、夜が遅くならない内に、安全な所に避難する事も勧める。」と告げた。
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