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土曜日 午後三時半
「彼らが動揺するのも、無理はないです。俺達が知らされたのも一昨日だし、彼らに伝えたのは、昨日だから。」と言うと、
先輩は無言で立ち上がって、ドアを開き、
「時間がないので、手短に会議を終らせようと思っています。皆さん、静かに席に着いて下さい。」と言った。
彼らが席に着いた事を確認した先輩は、
「まず、本題に入る前に、昨日お話ししました、この企画の事ですが、ある監督と映画会社が政府を通して、依頼してきた事ですので、強制ではありません。ですから、あまり気乗りがしない方は、辞退されてもかまいません。いいですね!では、説明は、副部長の優君からしてもらいます。」と言った。
俺は立ち上がり、少し低い声で、
「えっ、本題に入ります。求められている課題ですが、“今を生きている若者が、もし、‘あと一日で、この世が終わります’ と告げられた時、残された時間をどの様に過ごしますか?何をしたいですか?それを、映像にして下さい。”です。
デジカメ、携帯、パソコン、もし必要であれば、ここの機材を使ってもかまいません。 録画の方法はデジタルなら何を使ってもかまわないとの事です。
それと、音声の有無、映像の編集も自由ですが、作品は五分以内におさめて下さい。そして、それを、フラッシュドライブにコピーし、月曜日に提出して下さい、以上。
後の事は、部長からお願いします。」
先輩は、
「ありがとう。」と言って立ち上がり、
「来週の月曜日は臨時休校ですが、視聴室を使える様に手配しておきましたので、この企画に参加する人は、午前十時に集まって下さい。それと、私服登校と飲食の許可も取ってありますので、好きな服を着て、飲み物やスナック等、自由に持ち込んでもかまいません。
あと、その集まりで、この仕事も終わりにしたいと思っていますので、その日、次の部長と副部長を任命します。作品の試写会と、、、皆さんとのお別れパーティです。
もう一つ、機材ロッカーの鍵は開けておきますので、好きな様に使って下さい。」と言った。
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