奉領鏡明王

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檸檬降(れもんおろし)市。 その地、神と人が交わる最初の場所。 かつて神々は自らの領域を求め…争っていた。 神は自らを誇るもの…己が世を統べると信じねば、それはもはや神ではない。 ゆえに神は争わねばならぬ…神は世界のすべてを背負うから。 神同士の争いに膠着した奉領鏡明王(ほうりょうきょうみょうおう)、新たな力として人間の信仰を求める。 神が人間の争いに加担し、人間が神に信仰を与える。 祈りはエネルギー…神は人間の力を取り込み、人間の世界に勢力を拡大した。 やがて、人間の世界に神の災禍が降り注ぐ。 天地鳴動、地が荒れ…天が裂けた。 恐怖から人間は神への信仰を失い…神は力を失い、不可侵条約を結ぶ。 600年…神は人間からの信仰を蘇らせるため、巫を通して人間を知るに徹する。 神は歴史の影に消えた。 しかし、時は現代…神降ろしに天命が必要と知った先代の巫…人間を巫に変えようと世界を敵に回す。 奉領鏡明王…巫の魂に砕かれ地に降り注ぐ。 奉領鏡に仕えていた五飾神(ごしょくしん)もその神力を失い…性質を変えられる。 神降ろしの起源の地…主に守られていた加護を失い魔物の地に落ちる。 さらに影に生きる者たち…戒めから解き放たれ、そのしがらみに堕ちる者さえあり。 世界、神と人の絆…いかようにすれば取り戻せるか。 私は…。
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