こいつがいたら退屈も無いだろう

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「風紀なんて、大層なことは守ってないよ。 言わずにいられなくてね。」 掃除屋実里の看板だった。 「やろうと思って出来ることじゃないけど。」 その時、具合悪そうに軽く胸を押さえる聖奈。 「どうしたの?」 「気にしないで…いつもの不調だから。」 保健室を勧めたが、聖奈は断った。 (不調がいつもあるってのも変な話みたいな気もするけど。) だが、あまり深く突っ込むのも本人に悪い。 「お大事に。」 「ありがとう。」 二人は軽く挨拶を交わす。 「ああ、良かったら良い薬でも…。」 空気を読まない瑞香が二人の間に割って入る。 「あんた医者じゃねぇだろ! まだ何かを売りつけるか、この悪徳商人がっ!」 ドカッ! 実里が瑞香の腹をやおら横凪ぎに蹴りつけた。 「あ゛あ゛っ!」 ヒュウンッ! 瑞香は後方1メートルにぶっ飛んだ。 そのまま地面に叩きつけられごめんと自らの軽率さを謝るしか出来なくなる。 「さすが掃除屋実里。」 もちろん、正当な女子高生への暴力行為を聖奈が止めるはずはなく。 むしろ掃除屋の名に違わぬ蹴りの良さに感嘆の息をもらしたのだ。
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