こいつがいたら退屈も無いだろう

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つまらん意地を張って終わらない捜索に無駄な時間を費やすより、いらんプライドを投げ出した方がましともいえる。 時々だが、実里はそんなことを考えるのだ。 考えてどうなる話でもなかったが。 だいたい、異能関連の技術や人材はほぼガーディアンの独占なんだ…ろくに治療もしないくせに。 ガーディアンは本来超能力者の保護や相互を目的とした秘密組織だし、いらん迫害に晒すわけにはいかない身の上ではあるんだけどな。 守りたいものがある分、外部の者には厳しい…その弊害で一般人がえらい迷惑を被っている。 ラムレーズンアイスを思い切り口に運ぶも、実里はこのまま酔っ払ってしまいたいぐらいの失望感に襲われる。 「優しいんじゃなくて失望してるんだよ…失望。」 音羽の心を代弁するかのように実里は吐き捨てた。 「…どいつもこいつもバカばっかりだ。」 口癖が口をついて出る。 「実里…。」 瑞香がやるせない親友の愚痴を受け止める。 ガーディアンのことは、一般人にも噂程度に認識される世界。 良からぬ組織ということぐらいは分かっていた。 (エニグドさま召喚の儀式…急いだ方がいいかな。) 本気でエニグドさまなるものを呼び出すらしい。 ただのデッチ上げた怪談を現実にしたいらしい。 超能力組織相手だから、オカルトに頼るのは必須だろうけど…やり方次第で処分されると思うのは気のせいか? キャラメルリボンのアイスを口に運び、何やら激しく意気込む瑞香の熱意はしっかり表情に出ていた。 (…また変なことを考えているよ、この女。) こんなんでも唯一の親友なのは彼女の明るさに支えられているからかな。 実里は無理にでもそう思うことにしている。
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