エニグドさま

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「アルジャンのリーダーの逢垣聖奈に…か? 俺、あいつ苦手なんだよな…真面目だしいろいろうるさいからな。 そもそも、聖奈が交渉に乗ってくれんのか? あいつら、ガーディアンにはかなり恨みがあるぞ。 だいたい…。」 部下の一人がこぼし始めた。 聖奈は使命感が強いので交渉の材料にはうるさい。 自分たちの不幸の原因であるガーディアンの人間相手なら、なおさらだ。 「ガーディアンを倒そうという話には乗ってくるだろ。」 恨みを知る少年にはついてくるという確信がある。 「あいつらにとって敵はガーディアンだろうが魔物だろうが大して変わらんのだ。 人間を外敵から守るための聖戦だからな。」 実際、ガーディアンは秘密組織だから実態は公になっておらず…こういった口車には乗せやすい。 正体不明の組織だから理解されないのだ。 しかし、そう簡単にいくだろうか? 確かにアルジャンの目的は民間人の保護だし、もと民間人のスカウト組とてガーディアンの情報を提供すれば交渉の余地はある。 だが、ガーディアンは一度アルジャンに大敗しているし工作員を送らないと読まれていないだろうか? アルジャンのメンバーは民間人がほとんどだ…神の適合者もいるらしいが、たかだか半年で生粋の超能力組織と本気で戦うだけの戦力をつけている。 単なるバカとも思えないのだ。 だいたい、普通に生きていたらまず関わらない裏社会の情報をどうやって集めているんだ? どこかに裏とパイプがあるはずだ…そいつらがこちらに絡んでくるとこちらの身が危ない。 しかし、こいつの命令も無下に出来ない。 「…分かった。」 彼は少年に頭を下げ…不安を振り払った。
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