実里の決意

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ー記憶を探すしかない。 虚ろに溶けた記憶と降臨器を…降臨器は神と人を馴染ませる。 神の記憶も、人の中にある可能性が高い。ー 降臨器とは神と人間が降臨で繋がるときその仲立ちをする魔法のアイテムのことだ。 神と人間の性質を近づけて降臨の負担を減らす…巫女とて、降臨器がないと神と融合に負担がかかる。 ちなみにさっきエニグドさまが実里の中に入った時は神の記憶と力のほとんどが無い状態だから楽だっただけだ。 人間の中…見つからないわけである。 分からないものを探せと抜かす院長。 手がかりはあっても人なんかゴマンといる…いちいちあなたは神様の記憶の持ち主ですかと聞いているバカはいない。 「院長!」 実里は蹴りたくなるのを何とかこらえた。 ーつまりは分からないということだ。 だが、出来ないことより出来ることを始めることは出来る…五飾神をすべて集めるのだ。 そうすれば、道も拓けるかもしれない。ー 各地に散った神を集め情報を共有する…確かにはるかにましな方法か。 かなり前進の手応えはあったからよしとしよう。 「五飾神…院長はここにいるよね。 あとは翠緑?」 妙な刀事件の時に聞いた名前を思い出す。 あと3人となると気が重い。 ー…実里、翠緑玉鏡を知っているのか?ー 院長は実里には五飾神のことはほとんど教えていない。 巫女の素養は見抜いていたが…まだ時ではないと思っていたのだ。 「ガーディアンの人と鉢合わせてちょっと。」 あまり口にしたくなかったが説明せざるをえなくなる。
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