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篠崎「百合・・・。」
百合「起きました? 少し身体を起こしますか?」
50年連れ添った俺の愛妻がベッドの横にある窓のカーテンを開ける。
最近は随分と横になる時間が増えた。
窓の外には梅の花が満開に咲いている。
百合「もう少ししたら将太達が遊びに来ますよ。」
背中に大きな枕を挟み、俺のお気に入りのカーテガンを肩にかけてくれる。
篠崎「今日は温そうやな。 庭に出ようか?」
百合「そうですね。」
手を伸ばし、お気に入りの杖を手に取る。
息子の将太が俺の為に誂えてくれたこの杖。
アイツは俺の跡を継いで医者になるという選択をせず、大学で教壇に立ちながら日本の歴史を研究している。
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