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ゆっくりと、ゆっくりと身体を起こし、一歩一歩足を進める。
さほど広くはない庭には、小さな東屋を立てた。
秘密基地ではなく、現役を引退した俺のお気に入りの場所。
先にに到着し、いつもの場所から梅の木を眺める。
その先には木蓮が植てあり、あっちももうすぐ咲きそうやな。
ここは1年中花の香りが漂う。
天気の良い日はココで百合とお茶を啜るのが、俺にとっての癒しだった。
なぜか医師という忙しい仕事を選んだ俺。
だから引退してずっと百合を独り占めできる場所が欲しかった。
百合「お待たせしました。」
篠崎「ありがとう。」
湯のみを手に取り、一口飲む。
ふと、思い出したかの様に言葉が流れる。
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