大切な命

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私と玲奈の避難所での生活は、とても厳しいもので、2人ともストレスを抱えていた。 食料と水は、徐々に配給されるようになってきたが、それでも十分な量ではなかった。 お手洗いも悪臭がひどく、お手洗いのたびに頭痛がするようになっていた。 しかし、日が経つにつれて、状況は徐々にではあるが、改善されていった。 電気、水道、ガスといったインフラが、急ピッチで復旧されていった。 香織に関する情報が得られない状況が続いており、私と玲奈は交代で、市役所と遺体安置所に通うことにした。 また、私は避難所から会社へ、玲奈は避難所から中学校に通うようになった。 私の会社の中は散乱していて、どこから手をつけたらいいのかわからない状態だったが、手当たり次第に体を動かして片づけることにした。 他の社員も出社してきていたので、まずは複数の男性社員で協力して、倒れたロッカーを元の状態に並べる作業を行った。 ロッカーは、背の高いものが多かったため、6人がかりで運んで、壁際に並べていった。 コピー機や机も、元通りに並べていった。 ここまででも大変な作業だったが、社員の皆で協力して、何とか大きなものは、元通りにした。 あとは、電話機やパソコン、資料等を社員みんなで分担して片づけていった。 会社のフロアーは、徐々に元の状態に戻っていった。 夕方、避難所に戻ると、玲奈も学校で片づけをやっていると話してくれた。 お互いに、頑張ろうと励まし合いながら、毎日を過ごしていた。
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