3:魔女の預言

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「違うんです、本当なんです!」  男性は色素の薄い肌をさらに青くして叫ぶ。細く高い声が一層情けなさを助長する。 「これが、これが入ってたんですから! 屋敷のポストに!」  そう言って男が震える右手で出したのは、一枚のポストカードだ。血のように赤いカードは黒い縁取りがされている。禍々しさを感じる一枚だ。 「これが、何か……?」  クオーツが恐る恐る聞く。よくぞ聞いてくれた、と言わんばかりに男は唾を飛ばして宣言した。 「裏に、こう書いてあるんです……『今宵、死神が訪れる』って!」 「魔女の次は死神ですって? 空想の趣味もないんだけど」  ティアモも信じていない様子で、胡散臭そうに返事をする。クオーツだけが真剣に話を聞いていた。  キャシーの姿はまだない。 「見せていただけますか、それ」 「は、はい」  震える男性の手からポストカードを受け取る。表は装飾以外何も書かれていない。ひっくり返すと、その男が言ったとおりの文言が記されていた。  しかも、妙におどろおどろしいフォントで。
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