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「待ってくれ、騎士さん」
クオーツが前向きに話を聞こうとした瞬間、グレアムの制止が飛ぶ。胡乱げな眼差しをしている。
「まさか騎士さん、そいつの言うことを真に受けるのか?」
「グレアムのことは何もしてくれなかったじゃない!」
便乗するようにティアモの悲鳴が飛んでくる。クオーツの顔が一度引きつった。それでも神聖騎士としての振る舞いを優先すべきと考えたのか。唇を引き結んで答える。
「そういうわけではありません。ただ、冗談でも死を予告しているんです。悪戯であれば僕としても安心ですが、過去に似た案件があると言うなら事情は聞いても問題ないでしょう。第五師団に連絡するかどうかは、それから決めます」
「魔女の預言なんか妄言に決まってると思うけどな」
グレアムは不服そうに足を組みなおした。
クオーツはサリュに向き直り、改めて問う。
「改めて教えてください。今までの魔女の預言というのは、どんなものなんですか」
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