3:魔女の預言

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「それにつきましては私からご説明いたします」  抑揚のおさえられた声が響く。皆声の主へと視線を移す。  完璧すぎるメイド、キャシーがサリュの背後から現れた。足音さえ気にならなかった。気配を遮断する力でもあるのでは、と錯覚してしまう。  グレアムの鼻の下が瞬時にのびた。 「キャシーさん」 「サリュ様は月に一回この村にいらっしゃいます。このカードが届くようになったのは、半年ほど前からです」  半年、と噛み締めるようにクオーツが呟いた。 「赤黒く塗られたカードに黒い縁取り。それだけでも不吉な彩りですが、カードには『魔女の預言』と綴られ、近々良からぬことが起こるだろうと書いてありました」  淡々と、しかし滑舌良くキャシーが語るものだから、変な臨場感が出てしまう。サリュが唾を嚥下する音が聞こえた。 「そして、その翌日。サリュ様はご存知ですが、村の民家が一軒、全焼しました」 「燃えたってこと!?」  ティアモは半信半疑の様子だが、両手で口元を押さえて問いかけた。
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