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グルニエは人差し指をクオーツに向けた。彼の、心臓目がけて。
クオーツははっとしたように顔を上げた。
「そう。君なら、彼らのために動ける。君は神聖騎士クオーツ・ジェスなんだろう」
グルニエの眼差しは気だるげではあるが、その瞳には一筋の光が差している。クオーツはしばらく瞠目していたが、諦めたように息を吐き、苦笑した。
「いつからそんな熱血になったんですか」
「面白そうなことになっているからな。私としても是非暴きたい」
「グルニエさんが楽しみたいってだけですね」
その笑顔に苦しさは見られない。クオーツは改めてサリュに視線を向け、凛とした声で告げた。
「お話した通りです。サリュさん、残念ながら神聖騎士団が今回協力することは難しいです。ですが、僕で良ければ。僕一人の力はたかが知れているかもしれませんが……お力添えしたいと思いますので」
「……騎士さまにそう言って頂けるなんて! ありがとうございます、ありがとうございます!」
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