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やがて数人の足音が聞こえてきて甲高い声が響いた。
「ただいまぁ?、カワイコちゃんたち?、ゥヤッホー。」
「起きろ!起きろ!」
けたたましい叫び声とゲージを叩く音に続いて、動物達の恐怖する鳴き声が聞こえてきた。
「ほら、ほら、今夜はどの子にしようかな。」
「こいつが食べ頃だぜぇ、ヒャッホー。」
顕かにまともな連中じゃなさそうだ。薬でもやっているのだろうか。ショーンは吠えたいのを必死で堪えているようだ。
「この娘か、かわいいワンちゃん、お前がお気に入りだってよ。」
犬の悲鳴に違い声を聞いた瞬間、ショーンの姿が消えた。
『無茶するなよ。』
僕は祈った。
事態は最悪の方向に向かったようだ。
「何だこの犬、どこから来やがった。」
怒声と共にショーンの叫び声が聞こえてきた。
「うぜーチビだ、ぶっ殺してやる。」
ショーンはジュディを命がけで守るつもりだ。
「やめろショーン、逃げるんだ。」
僕は声の限り叫んだ。
その直後、激しい金属音とショーンの声にならない鳴き声が微かに聞こえてきた。
倉庫は静まりかえった。
僅かに足音が近づいて来るのがわかる。
何かが目の前に投げ下ろされた。
暗闇の中にショーンの血塗れの体が浮かんだ。
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