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少し遅くなってしまった。
アクセルを踏んですぐにゆなから返信がきた。
顔がにやける。早く会いたい。
今まで女に自分から会いたいなんて思ったこともなかった。
むしろ、残業を終えて、疲れてすぐに寝たい気持ちの方が強かった。
でも今は違う。
早くゆなの顔を見て癒されたい。
アパートの前に車を停めて、2階へと足を運ぶ。
203
ここか。
インターホンに手を伸ばそうとした時、ドサッと嫌な予感がした‥
ドアを開けて中を見た俺は心臓が止まりそうだった‥
そこには知らない男に馬乗りにされているゆなの姿だった。
「ゆな!!
お前!!何をしている!?ゆなから離れろ!」
俺は奴の髪の毛をグワッと掴んで壁に叩きつけた。
奴は俺の顔を一瞬見たが、すぐに逃げ出した。
俺はゆなの小さな震える背中にタオルケットをかけてぎゅっと抱きしめた。
「尚輝さん‥怖かった‥」
「ゆな‥遅くなってすまなかった。」
俺は奴の顔を一生忘れない。
殺してやる。
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