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なぜ俺の周りには犯罪者ばかりいるのだろうか――……
眠い目をこすりながら、ピンク色に染まる外へ出た。
アスファルトの上には踏み潰されて薄汚くなった桜が散っていた。
郵便受けにはまだ手をつけられていない新聞が顔を覗かせている。
隣の家の垣根の中に潜り込む三毛猫がこちらを睨みつけてきた。
「レクトー!学校いこー!」
玄関を出ると、幼馴染が元気よくスクールバックを振り回して待ち伏せていた。
いつもテンションが高いのだが、今日はいつもより高い……気がする。
春の太陽に負けないくらいの明るい笑顔がすごく眩しい。
彼女の笑顔を見ていたら、自然と寝起きの重くて億劫な体もすうっと軽くなる。
「今日から高校だよっ!たのしみー!」
「へーへーへー、そうだな」
俺、冬澤レクトと幼馴染の春嶺女神は見事都内で有名な名門校に合格し、今日から晴れて高校生となる。
といっても、女神はギリギリの成績でようやく受かったのだ。
女神とは長い付き合いで、俺が5歳の頃ここに引っ越してきてから知り合った。
俺の家の右隣で、俺の部屋の窓から女神の部屋の窓まで30cmほどしか離れていないくらい密接している。
わざわざ女神の家へ行かなくても、あいつとは窓越しによく会話していた。
よく一緒に出かけたりするが
『彼女?』とか『彼氏?』って尋ねられることがある。
断じて違う。
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