宣告

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「アロマターゼ?」 俺は何故か総合病院の婦人科にいる 「もっと分かりやすく説明してくださいよ」 担当医の明日香先生は若くて美人だ この病院の理事長の娘だという アメリカ・ドイツと留学していたせいか日本人離れした気品がある 「つまりね、アイス君の身体からは女性ホルモンが大量に分泌されているのよ」 明日香先生は赤いホックスのメガネの位置を薬指で調整しながら淡々と答えた 「それは前に聞いてますよ、でもどうしてこんなに胸が?」 俺は泣きそうな声で先生に訴えた 「うん、男性ホルモンを注入すればすぐにアイス君のバストの成長は止まるし筋肉も隆々として男らしい体つきになるんだけど、その代償に生殖能力が失われるのよ、まだ未成年だからアイス君にそういった措置はできないの、これは医学法つまり法律で定められていることなのよ」 俺は生まれて初めて人前で涙を流した 「元気出しなさい、さあ診察よ」
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