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「我が国とバラート公国の同盟はなれり」
王が宣言すると
「確かに見届けました」
バラート公国の公使らしい者の声がした。
「さあ、隣の間に酒肴の準備が出来ている。飲み明かそうではないか!」
王の言葉に歓声が上がり、一斉に移動が始まった。
貴族達もいい加減疲れていたし、この2人では楽しませてもらえそうもないので王の機転を歓迎したのである。
エリカは足音が静まるまでこのまま我慢するつもりでいたが、レオナルドは肘と膝に力を入れてエリカにかかる体重を抜いたので、また身体の間に隙間が出来た。
「レオン、私ってそんなに魅力ない?」
「そ、そんなことはない」
レオナルドはエリカの横にずれて上半身を起こした。
エリカも少し遅れて上半身を起こした。
今度はシーツを押さえていなかったので露わになった乳房にレオナルドが目を留め、瞬く間に顔を赤くした。
「こんなことなら、ちゃんと勉強しておくんだった」
「は?」
どうしてここで勉強がでてくるのか?
「いやその、機会はあったんだ。寮友から何度か娼館へ行こうと誘われたのだけれど、断ってしまって・・・その、女ついて勉強をし損ねたんだ」
これにはエリカも困った。娼婦の仕事については見たことがないのでいいとも悪いとも言えなかった。
「レオン」
仕方がないのでエリカはレオナルドの手をとり
「これが女の髪、頬、胸、腹、そして脚・・・どう?」
手をシーツの中に導くと、レオナルドも身を乗り出して来た。顔が近い・・・
「いい香りがするし柔らかい、触ると気持ちがいい・・・」
「あなただけはこんな風に触れていいの。私を愛おしく思って下さるのなら、形なんて気にしなくていいの」
「そういうものなのか」
「そういうものです」
他の人がどうかは知らないが・・・
「では、ハロルド殿下の真似だけど、いいだろうか」
「はい?」
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