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「ハロルド、入ってもいい?」  トーナメントが終わり、エリカとレオナルドは次の準備のためにハロルドの部屋にやってきた。 「どうぞ、ってエリカ、改まってどうした?」 「いや、お邪魔かなーって」 それを聞いて寝台にハロルドと隣り合って座っていたエリザベスの顔が紅潮した。 部屋に戻ってから幾度も口付けを交わし、寝台で余韻に浸っていたのをエリカに見透かされたと思ったからである。  エリカは2人を冷やかしたつもりであったが、ハロルドには通じなかったらしく 「エリカを邪魔になど思うものか、いいから入れよ」 ハロルドはまるで何もしていなかったかのように平然とエリカを招き入れた。 「うん」 「今日の試合は勝ち抜きでなかったからな。今ひとつ盛り上がらなかっただろう」 「そんなことないよハロルド、あなたすごいよ、あれだけ綺麗に槍一突き決めたのハロルドだけじゃないかな」 「ははは、そうか」 「王はあなたにも褒美をとらせるって言ってたよ」 「陛下が?」 「うん」 「あなたにもってことは何かもらったのか?エリカ」 「領地をいただいた。結婚祝いだって」 「それはおめでとう」 「ありがとう」 「まあでも、エリカの性格だとじっと見ているだけというのはつまらなかっただろう」 「そんなことないよ、騎士と姫のラブシーンが見られたしね」 もう一度冷やかしに挑戦である。 「ベッティーに無理させるのも大概にね、ハロルド」  エリカはハロルドとエリザベスの間に事前の合意があったことを知らないので、どうせエリザベスにその場で無理を言ったのだろうと思っていた。 「ん?無理?何のことだ?」 「お、お姉さま、違うんですの」 エリカはおや?と思った。
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