第1章

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私の声に振り向いた美少女(工作員)の口元を見て、計画の失敗を悟る。 「ボリボリボリボリ」 チョコレートに麻薬を混ぜ、この国の人間を麻薬中毒者だらけにする計画は、上手くいくと思ったが誤算があった。 「ボリボリボリボリ」 本国からこの国に密入国させた工作員の全員が、チョコレートというお菓子を、一度も食った事が無い奴ばかりだという事である。 「ボリボリボリボリ」 「うるさい! いい加減食うのを止めろ」 「……………………」 なんて党第一書記に報告しよう? この国の人間を麻薬中毒者にするのを失敗したどころか、密入国させた工作員600人全員が、麻薬中毒者になったなんて報告できるのか? 「ボリボリボリボリ」 取り敢えずアジトに戻ろう。 「ボリボリボリボリ」 「おい帰るぞ! 」 「ボリボリボリボリ」
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