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おいでになさりましたんぐ
「ああ、熊手。そういえばお前に客が来てるぞ」
「そうそう!あの人なんにも答えてくれないんだよね」
「客?」
ちらりと視線を動かすとすぐに視界に飛び込んでくる大きな翼。キラキラとその人物の周りは輝き光を放っている。全体的に色素の薄いその人のことを霧子はすぐに分かった。
「比香利様!!???」
「やっと気がついたかよ」
「比香利っていうの?あの人、突然現れたかと思ったら霧子ちゃんが目を覚ますまでそこにいるってきかなかったんだから!」
「熊手 霧子。お前は見習いという立場にも関わらず邪気者と接触し、勝手に人間と契約を結びおまけに命の次に大事な翼と天使見習いの証である輪まで失うなんてどうするつもりなんだ?」
「あの輪は研修中みたいなものだったのか」
「え、なにそれ笑」
「熊手霧子、お前は何であんなことをしたんだ?」
「っ、」
「あの化け物が勝手に襲ってきたんだ。ああしなければ死んでいた」
「すぐに他の天使が駆け付けると熊手霧子はわかっていたよな?死ぬ事はないって」
「は、はい」
「だが来なかった。」
「少し黙っててくれねぇか?俺はこいつと話してんだよ」
「翼がとれたのも事故だ」
「どんな理由があろうとこいつの翼が無くなったのは変わらねぇ。分かるだろ?」
「全くわからん」
「てめぇ」
「あ!あの!本当にすみませんでした!だからせめて見習いだけは続けさせてください!あともう少しなんです!」
「だめだ」
「そんな!じゃあ私は天使にすらなれないのですか?」
「ああそうなる」
「...」
「で、だ。熊手霧子、お前に伝えたいことは大天使副風紀委員長比香利 海からは以上だ」
「大天使副風紀委員長!?なが!学生みたいだね」
「私はこれからどうしたら...」
「だが、比香利 海1人の男としてお前に頼みがある。」
「え?」
「表向きはここに追放というかたちで、少しやってもらいたいことがある」
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