チョコレート悪魔

2/2
前へ
/2ページ
次へ
髪を二つに結わえた金髪の少女が座っていた。目には涙をためて。 A「私はチョコレート悪魔。この世のチョコレートを殲滅するためにやって来た」 ひとりごちながら、手に持ったチョコにかじりつく。 A「いつから、いつからこんなことになってしまったのじゃ……」 悪魔は考えていた。義理チョコが氾濫するこの世界、本物の愛はどこへ行ってしまったのかと。 A「どいつもこいつも、義理チョコ義理チョコと。小賢しいわ。本命はどこへいったのじゃ」 そこへ一人の少年が悪魔の元にひざまずく。 B「チョコレート悪魔様、こちらにいらしたのですね」 悪魔はドキッとする。 彼に片思いしていたからだ。 気づかれないように涙を拭く。 A「何用じゃ」 B「はっ、義理チョコを回収してまいりました」 彼は手に持ったチョコをばらばらと広げた。 A(ぜ、全部本命チョコではないか!) 改めてチョコを殲滅しようと強く、強く決意した。
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加