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髪を二つに結わえた金髪の少女が座っていた。目には涙をためて。
A「私はチョコレート悪魔。この世のチョコレートを殲滅するためにやって来た」
ひとりごちながら、手に持ったチョコにかじりつく。
A「いつから、いつからこんなことになってしまったのじゃ……」
悪魔は考えていた。義理チョコが氾濫するこの世界、本物の愛はどこへ行ってしまったのかと。
A「どいつもこいつも、義理チョコ義理チョコと。小賢しいわ。本命はどこへいったのじゃ」
そこへ一人の少年が悪魔の元にひざまずく。
B「チョコレート悪魔様、こちらにいらしたのですね」
悪魔はドキッとする。
彼に片思いしていたからだ。
気づかれないように涙を拭く。
A「何用じゃ」
B「はっ、義理チョコを回収してまいりました」
彼は手に持ったチョコをばらばらと広げた。
A(ぜ、全部本命チョコではないか!)
改めてチョコを殲滅しようと強く、強く決意した。
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