それは入学式の朝のこと

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「あんたが好きなの」 「え?」 彼女の言葉が僕には理解できず、思考がフリーズする。 今、彼女はなんて? すき…スキ…好き…? 僕の反応が面白く無かったのか彼女は唇を尖らせると僕に1歩近づいてきた。 「だから、あんたが好きって言ってるの。ウチと付き合ってくれない?」 突然すぎる告白に僕は目を見開いた。 ずいと近づけられた整った顔立ちに息が止まりそうになる。 どうやら僕の聞き間違いではないらしい。 ほんのりと頬を赤らめた四宮さんの表情で僕は察した。 ついに息をすることを辞めた僕の肺。 顔に熱が集まるのを感じる。これが息を止めたからなのかそうじゃないのか僕にはわからない。 「ねぇ、返事は?」 四宮さんの顔がさらに近づく。 どうする?こんな美人に告白されるなんてこの先一生訪れないだろう。 断るなんて僕の選択肢に無い。 なら、答えは1つ。 「僕は…」
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