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一見するとどこにでもいる普通のかわいい女の子。頭の上で二つ、ちょこんと髪を結わえている。しかし目の前にいるのはチョコレートの神様なんだ。
「うかない顔してどうしたの?」
神様は微笑みながら僕に問いかける。そんなに僕はうかない顔をしていたのだろうか?
「神様、どうしてボクはチョコをもらえないんでしょう?」
僕の問いかけに神様は首をかしげる。そんなの当たり前でしょ、と言いたげに。
「あなたを好きになってくれる女の子がいないからでしょ」
神様の顔は真剣な顔つきに変わった。その言葉は冷気を帯びていた。僕の胸に氷の矢が突き刺さる。
「誰も僕を見てくれないのに、誰かに好きになってもらうのなんて無理ですよ」
口調を荒げてしまった。
僕はチョコレートの天使。
僕の姿が見えるのはあなただけ。
あなたのことが好きなんだ。
神様、あなたからチョコレートを貰いたいんだ、心の中でそう叫んでいた。
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