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「さぁってとぉ~」
部屋に鍵をかけ明かりを消してパソコンを起動すると、動画投稿サイトにアクセスした。
すると、画面にはサムネイル表示された、本物か偽物かがわからないグロ動画ばかりがズラリと並んでいる。
初めこそ興味もなかったが、珍しい動画が見られるという友達の言葉にのり、3日ほど前から色々と見るようになった。
いわゆるスナッフフィルム的な動画だ。
俺はあまり興味はなかったものの、こういった類の動画を見ている友達は多く、話のネタとして盛り上がる。
バカらしいとも思ったが、ネタ収集のためにサイトを眺めていた。
「いくら偽物ってわかってても、事故系はマジっぽくて見たくねぇなぁ……って、ん? なんだ……これ」
目にとまったのは【処刑動画】というタイトルだった。
静止画像には男が写りこんでいる。
「これ、時間の表示がないな……なんでだ」
どの動画もどのくらいの長さかが表示されているのにも関わらず、そこには時間がない。
気になった俺は、マウスを操作し、画像をクリックした。
「昨日までなかったよなぁ……これ」
何の気なしに画面を眺めていると、前触れもなく動画が始まる。
『どこだ……ここは……』
狭い6畳ほどの部屋にあるベッドに横になっていた見知らぬ男が、上半身を起こして呟く。
くたびれたサラリーマンのような格好で、年齢は40代くらいだろうか?
カッパのようにてっぺんがハゲ上がり、頬がコケている。
『ウソ……だろ……』
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