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『未希ちゃん、チョコレート、ありがとう』
お礼のメールをうち、途中で文を止め僕は携帯を置いた。代わりにチョコレートを手に取る。
赤いリボンをほどいて、そっとフタを開けると、一口サイズのチョコレートが8粒並んでた。
8つ……ははっ、僕と未希ちゃんの『歳の差』と一緒だ。
一粒手に取って口に入れる。
甘い……
切なくて目頭が熱くなる。
再び携帯を手にとって、
『美味しかったよ、本当にありがとう、朔』
続きをうった。他にも何か入れようかと…・・・しばし考えたけれど思いつかなかった。僕は子供で、全然成長していない。
不甲斐ない自分。嘆息して送信ボタンを押した。
チョコレートに視線を戻すと、残り7粒。
これを一気に食べて、君に追いつけたらいいのに……ありもしない妄想に、あぁ、俺、相当弱ってるな……
僕は、もう一粒手に取って口に入れた。
「甘い……」
やっぱり甘い、甘いよ……未希ちゃん、あー、あいたかったな……
ベッドにごろりと横になり、強く願う。
こんなにも会いたいと思っているのにちっともうまくいかない……このまますれ違い、時間だけがドンドン過ぎていく……神様は意地悪だ……僕は未希ちゃんと同じ年で生まれたかった……未希ちゃん、君を想う気持ちも重さも、長さも、誰にも負けない自信があるのに、この埋まらない距離が、恨めしくなる……
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