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閉められた玄関。朔ちゃんのいなくなった部屋。
私はようやく目を開けた――。
静まり返っているその部屋で、暴れているのは私の心臓だけ。ベッドに横たわったまま、しばらく動けないでいた。
張りつめていた緊張の糸を切るかのように、私は大きく息を吐いた。
呆然自失状態。今身をもって体験中である。全てが私には突然の出来事だった。
朔ちゃんが……私を好きって言った。私を誰よりも好きだと言った。
あの! あの朔ちゃんが! お隣に住んでた朔ちゃんが!
子供の頃から知ってる、私の朔ちゃんが!
私をずっと前から好きだったと言った――。
そして、数え切れないほど私に『キス』した――。
どうしよう……朔ちゃんとキスしちゃった。それも何回も……
朔ちゃんとキス、朔ちゃんとキス、キス、キス、キス
かあ~、
急に顔から湯気が出てる気がした。
は、恥ずかしい……先程の濃厚すぎるキスの記憶に顔が真っ赤に染まる。両手を顔を覆い、キャーと頭の中で絶叫。
ベッドの上で縮こまりゴロゴロと一人でもだえる未希。その頭の中は完全パニックだ。
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