第1章

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僕は一年たっても変わらず、未希ちゃんを想っている。 だから、彼女はいない。 作らない。 欲しくない。 女子から、幾度となく告白されたが――『好きな人がいるから……』と断っている。 『好きな人って誰?』 そう問われて、僕はいつもあいまいに笑うしかない。 だって言いたくないから、 誰かに君の話をするなんて、もったいなくてできないよ そんな僕のことは龍は、 「忠犬ハチ公みたいだな」 って笑ってた。 そんな日々が続いて…… いつしか僕の好きな人は『幻の人』と呼ばれるようになった。 誰も知らない、幻の人。 ――幻ね~ まー、全然会えていないし、幻に近いっちゃ、近いのかも…… 自分で言ってて悲しくなってきた。
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