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間延びした声が聞く。
「なんだか黒板の字が見えにくいので、前の席にしてもらえませんか?」
幸いかどうかは別として、わたしは視力が悪い。だからこう訴えれば、座席の変更ができる。本当はメガネをかけていれば問題ないけど、それは秘密だ。
さらに、この席は目立たないため授業をサボりたい生徒から人気なのだ。変わってくれる人は必ずいるはず。
「んー。ま、いいだろう。けど、そういうのは早く言えよ」
「すみません」
やったー。最高のポジションを失うのは残念だけど、これで宇佐見くんのヒップホップコミュニケーションから逃れられる。
「んー。じゃあ、そのまま最前列に移動しろ。あー、それと、宇佐見。おまえも一緒に最前列に移動な」
「ホワイ!?」
「ッ! ええええええ!?」
思いもよらぬ発言に、宇佐見くん以上に驚いてしまった。なぜそうなる! 宇佐見くんも同じ気持ちなんだろう。
「ユーノーワットアイムセイング?」
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