546人が本棚に入れています
本棚に追加
「んっ……!?」
けれどリンデンは腰を動かすことなく、いきなり背中を噛まれた。
「あ…ぁ…ぁああ…ぁはぁ……」
漏れる吐息が切なげだ……。
柔く強く、リンデンが噛むたび快感にむせぶように俺の腰がうねる。
リンデンは強弱をつけ噛み続けるばかりで動こうとしない。
「ぁ…あァン… リン…リン……」
もどかしいような、このまま続けて欲しいような。
けれどすぐにもどかしさは限界を超え、気づけば自分からリンデンを求めて尻を振ってしまっていた。
「リン…お願いだから。」
さらなる刺激が欲しくて、言葉すら自分の思考を素通りしてこぼれる。
「ああ、どうして欲しい?」
「んっ…リン…リン…!もっとお前が欲しい。俺がブッ潰れてしまうくらい、我を忘れて俺を貪って。」
リンデンは何も答えず、けれど背後から強引に俺の顔を引き寄せキスをした。
荒々しいほど強く唇を求められ、息が詰まってめまいがする。
けれど心も身体も悦びに震えていた。
「いやらしい笑顔だ。なぁ、エル。次は泣き顔を見せてくれよ。」
非道いことを言う奴だ。
そう思うのに、俺の笑みはさらに深くなってしまっていた………。
◇
結局リンデンの家に泊まる羽目になり、早朝に自宅に戻った。
出勤前にシャワーを浴びると、背中にチリチリとした痛みを感じた。
鏡で確認すると、赤い歯型がかなり沢山残っているようだ。
「くそっ……何箇所も好き放題噛みやがって。」
口からは罵りの言葉が出て来るが、心には甘酸っぱい思いが満ちていた。
最初のコメントを投稿しよう!