File.2 右目の力

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「それに大体、そんな悪徳霊能力者がいまだにのうのうとしていられる、ってことは刑事的にも勝目はきっとないよ。みんな泣き寝入りするしかないんじゃないかな」 「賢明やな」 ずっと僕達の会話を聞いていたのか、突然現れたおじいさんがそう呟いた。 流石に驚いた僕は肩が少し浮き上がった。 「いやー、かなんわー!女寄(みより)下って抜け道走ってたらさぁ、急にエンストしてびっくりしたわ。やっぱり外車はあかんな」 おじいさんが急に現れたということは、当然梨花さんが帰って来たということで。 「梨花おかえり」 「おかえりなさい、梨花さん」 僕達はそれぞれにそう声を出す 「あんたらほんま対極的やな」
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