File.2 右目の力

14/111
前へ
/357ページ
次へ
「恭平の身体を狙ってたんはな、――あの病院におった動物霊やない」 恭平を狙っていた霊というのは、窓の外に張りついていたどす黒い者たちのことか。 〔そういえば、あの病院には残留思念が彼女以外いなかったのは、不自然じゃありません?〕 藤十郎さんがちょくちょく話し掛けてくるたび返事をしていたらただの変人に成り下がってしまうので、 僕はちょっとしたコツを得て周波数のようなものをあわせて頭で会話することがイメージ出来るようになった。 「あー、それはクロや。お前が工具取りに戻っとる間に全部処理したんや」 知らなかった――いや、全然気がつかなかった。
/357ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3167人が本棚に入れています
本棚に追加